ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地である「嘆きの壁/ゴルゴダの丘/岩のドーム」はマジで近い

エルサレムにある近すぎる3つの聖地

まず上の地図を見て欲しいんですが、かなり近い場所に異なる3つの宗教の3つの聖地があります。これらは全てエルサレムと呼ばれる地区にあります。それぞれ宗教と聖地の対応をリストにしました。まずは確認しましょう。

  1. Western Wall/嘆きの壁/ユダヤ教の聖地
  2. Church of the Holy Sepulchre/聖墳墓教会(ゴルゴダの丘があったとされる)/キリスト教の聖地
  3. Dome of the Rock/岩のドーム/イスラム教の聖地

 

上の写真でみると本当に近いことがよくわかります。これはもめます!!

そもそもなんでこんなに近くにあるのでしょうか?


ユダヤ教の聖地「嘆きの壁」

まずは歴史的に一番古いユダヤ教の聖地「嘆きの壁」について説明します。嘆きの壁は、ユダヤ人の祖先であるアブラハムが、旧約聖書の中で神から信仰心を試され、そして信頼を獲得するというとても重要なシーンの舞台なのです。

正確には、舞台となった丘の上の「岩」の横に建てた「神殿」の「西側の壁」です。元々はここに神殿があったのですが、A.D.70にローマ帝国に破壊され、唯一「西側の壁」だけが残り、それをユダヤ教徒は聖地としているわけですね。ちなみに「嘆きの壁」という名前は、夜露に濡れ「泣いているようにみえる」ために命名されているそうです。

ちなみにストーリーはこんな感じです。神はアブラハムが本当の信仰心を持っているか確かめるために、アブラハムの息子イサクを捧げる(生贄にする)ことができるか問います。悩んだ末、アブラハムは息子を生贄に捧げることを決意し、丘の上の岩に息子を横たわらせ、ナイフを突き立てようとします。その瞬間、神はアブラハムの信仰心を確信し、止める、というお話です。

このシーンはユダヤ教徒が神の信頼を獲得するという、とても大事な瞬間なわけです。そのためにここが聖地となりました。


キリスト教の聖地「ゴルゴダの丘」

 次にキリスト教の聖地、ゴルゴダの丘ですが、この場所でキリストは十字架に貼り付けにされ、殺されます。そして「聖墳墓教会」が建てられ、キリストの墓がある、とされています。キリスト教のスーパースター「キリスト」が死に、墓があるのですから、問答無用で聖地ということになります。

ではなぜキリストは、こんなにユダヤ教の聖地の近くに来ていたのでしょうか。

それは簡単でキリストもユダヤ教徒だからです。だからユダヤ教の聖地の近くで布教をしていた、ということです。


イスラム教の聖地「岩のドーム」

最後にイスラム教の聖地である「岩のドーム」です。イスラム教には3つの聖地があります。

  1. 生誕の地「メッカ」
  2. 次に移動した「メディナ」
  3. そして「岩のドーム」

岩のドームは、アブラハムがイサクを捧げようとした例の岩です。ややこしいですね。なぜ、ユダヤ教関連の地が、イスラム教の聖地なのでしょうか。

まず、イスラム教の神は、キリスト教の神と同じく、ユダヤ教の神と同じだということを確認してください。あくまでイスラム教は、3つの宗教が同じくする「神」の神託を最後に聞いた男「ムハンマド」の宗教なのです。ですから、非常に密接な関係にあります。

さて「コーラン」の中でムハンマドは、天使につれられ空を飛び「遠くの街」までいって、「神」もしくは歴代の預言者たちに会った、とされています。では、この「遠くの街」ってどこ?ということになりますが、これはやはり「エルサレム」だということになると後の信者は考えました。さらに、聖なる岩=イサクが横たわっていた岩に触って、天に登ったに違いない、とされたわけです。


 

まとめ

ということで、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教 という、現代を見ていく上で重要になる三つの宗教の聖地が、なんでこんなに近くに、エルサレムに集中しているのか、ということをご説明しました。

3つの聖地が近いのは偶然ではない、ということがよくご理解いただけたと思います。3つの宗教はクロスオーバーしながら生まれ、歴史を育んできているわけですね。


 似ているのに、なぜもめるのか?

ではなぜ、近い3つの宗教なのに揉めるのでしょうか?これには宗教的な理由と、政治的な理由があります。

宗教的な理由

第一に宗教的な理由としては、それぞれの宗教は、前の宗教を批判して新たに創設されたものであるため、当然、仲が悪いのです。つまり、ユダヤ教にある欠点を批判してキリスト教が台頭し、さらにキリスト教を批判してイスラム教が成長するわけですから、似ているといっても、全然仲良くできないわけです。

政治・経済的な理由

第二の政治的な理由ですが、ユダヤ教徒とキリスト教徒とイスラム教徒の経済的な利害関係が一致しないために、仲良くできない、ということをあげられます。これについては、正確な議論をするのが非常に難しいので、ここではなんとなく例だけあげます。

例えばイスラム教世界は、産油国が多いですね。そしてキリスト教世界には産油国が少なかった。そうすると、石油を巡って対立するわけです。つまり、宗教的な対立というよりは、各宗教が主に占めている地理の違いが、経済的な利害の違いになり、それゆえ、仲良くできない、ということになります。

このことは非常に重要で、宗教的な理由だけであれば人はわざわざ戦いません。戦うことによって、経済的な利益がある、もしくは戦わないと経済的な損失があるから戦争がおきるのです。この点を忘れて「宗教」だけに視点を狭めると、現代がわからなくなります。

ではまた!

参考文献:複雑な現代イスラムの状況をわかりやすく解説してくれている本です。フランス出版社襲撃事件など、最近もイスラム教がキーワードになるニュースが多いですね。イスラムを押さえると現代が見えてきます。


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1 comment

  1. 一度はエルサレム聖地に行って、ゴルゴダの丘と嘆きの壁を見てみたい。
    プロテスタント教会の、日本バプテスト連盟!常盤台バプテスト教会の教会員です。

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